スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキング Vol.49 谷口信輝さん(2回目)

Discussion in 'News and Articles' started by Auto News, Dec 9, 2023.

By Auto News on Dec 9, 2023 at 6:23 AM
  1. Auto News

    Auto News Moderator Staff Member

     ファンのために熱いレースを展開してくれるスーパーGTドライバーたち。SNS等でも散見されますが、所属するチームやメーカーによって差はあれど、多くのドライバーが“繋がり”をもっています。そんなGTドライバーたちの横の繋がりから、お悩みを聞くことでドライバーの知られざる“素の表情”を探りだす企画をお届けしております。今回はTeam LeMansの片山義章選手から、GOODSMILE RACING & Team UKYOの谷口信輝選手に繋がりました。

     しばしばSNS等でも見られる、気になる2ショット。「へえ、あのドライバーたち、仲良いんだ」とファンの皆さんも驚くこともあるのでは。そんなGTドライバーの繋がりをたどりつつ、ドライバーたちの“素”を探るリレートークがこの企画です。これまでの連載は、まとめページを作りましたのでぜひご参照ください。

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     前回はDOBOT Audi R8 LMSをドライブする好調の片山選手から、グッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝選手に、Youtubeチャンネルについての悩みが出てきました。最近では「Youtubeをやればなんでももうかる」と考える方はさすがに少なくなっていると思いますが、レーシングドライバーのなかでも屈指の人気を誇る谷口選手から、Youtubeチャンネルの苦労も教えていただきました。

    * * * * *

    ■もう必死よ。


    ──そんなこんなで、今日は“くだらない”取材ですが、お時間いただきうかがわせていただきました。
    谷口信輝さん(以下谷口さん):はいはい。“上り”しかないってことね。

    ──……? ……あ〜なるほどなるほど(笑)。失礼しました。そんなこんなで、今回は2回目となる『スーパーGTドライバーお悩み相談ショッキング』の取材です。
    谷口さん:そんな取材したっけ?

    ──前回は、.という相談をしました。
    谷口さん:あ〜したね。買いたいと思った時が買いどきって話したね。

    ──今回はまた別のドライバーから悩みが回ってきましてですね。片山義章さんが悩み相談をしたいと。彼、Youtubeチャンネルをやっているそうなんですが、再生数が伸びなくて悩んでいるらしいんですよ。登録者数30万人を誇る.をやられている谷口さんに、どうしたらいいかを聞きたいと。
    谷口さん:チャンネル登録者数は? 登録者があるのに再生数が伸びないのか、登録者が少ないから伸びないのかにもよるよ。

    ──え〜と、登録者数は655人(取材した10月13日時点)。いちばん再生回数が多い動画で、1.2万回再生です。再生数を伸ばすためにはどうしたらいいですかね?
    谷口さん:いちばんの飛び道具はレースクイーンでしょ。

    ──ほっほ〜。なるほど。
    谷口さん:ちょっとギャルパラ(『ギャルズ・パラダイス』のこと。弊社発行の業界唯一のレースクイーン専門誌。私も大昔に編集に携わりました)っぽくなるかもしれないけど、やっぱり強いよね。“ドライバー片山義章”が個人で勝負しても、なかなか広がらないと思うわけ。ちょっと言い方がキツくなるかもしれないけど、『レーシングドライバー』というくくり自体が、今のところレースが好きな人のみに知られている人種なのね。

    ──なるほどなるほど。
    谷口さん:かたや、ドリフトのスターたちがいるじゃない。川畑真人とか、斎藤太吾とか。それも、ドリフトが好きな人だけが知っているわけじゃない。お互いが別の畑に行ったら『誰?』となってしまう。そもそもがちょっと狭い。オレは、レースからカスタムカー、チューニングカー、ドリフトまで畑が広いからまあまあもってる客層が多いけど、やっぱりレーシングドライバーであればあるほど、持っているパイが小さいからなかなかに難しい。

    ──たしかにそうですねえ。
    谷口さん:レースクイーンという飛び道具を、自分のチャンネルで許すか許さないかだと思うんだよね。ウチはその飛び道具は使わない……まあ断言したわけじゃないけど(笑)、とりあえず使ったことはない。でも使ったら増えるだろうな、ということは思ってるし、分かってるよ。

    ──ところで、谷口さんの『NOBチャンネル』は企画出しや、動画制作会議のようなものはあるんですか?
    谷口さん:ないよ。そんな会議。ぜんぶ行き当たりばったりでやってる。オレがふだん仕事しに行ってる先で、オレが勝手にカメラ回して撮ってるだけ。あとは動画を作ってもらってる人物と一緒に撮影に行って『何か撮ろう』みたいなことはあるけど、基本的に企画会議とか構成とかはないよ。

    ──じゃあ、その撮ってきた素材を……
    谷口さん:その人物が料理する。だからオレが狩りに行って獲物を獲ってくる、出す、料理する……というサイクル。

    ──それでオイシイ料理ができあがってくるわけですね。
    谷口さん:オイシイかはさておき、毎週金曜日の朝7時に出すのが我々のマイルールで、それを守るのに一生懸命よ。そこまでヒマなわけでもないから、もう必死。だからおもしろい回から、つまらない回まで、豊富に取りそろえております(笑)。

    ──そういう意味では、この片山選手のチャンネルは更新頻度が少なすぎますねえ。
    谷口さん:やっぱり、そこも大事。気まぐれでアップするのと、定期的に決まったタイミングでアップするのは違うね。

    ──片山選手のチャンネル、動画自体はかなり凝って作ってあるなとは思いますが。
    谷口さん:苦労とリターンは合わないんだよね。『これは鉄板だろ』と思って作った動画も『あれ?』となったり、適当に作ったのが『なんでこんなに観られるの?』というのも読めない。

    ──なるほど。非常に参考になりました。

    NOBチャンネル
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    スーパーGT GT300クラスでグッドスマイル 初音ミク AMGをドライブする谷口信輝
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    2023スーパーGT第8戦もてぎ グッドスマイル 初音ミク AMG

    ■社長就任おめでとうございます


    ──というわけで、このコーナーでは次のドライバーを紹介していただいて、悩みをぶつけてほしいんですが、最近お悩みありますか? 谷口さんいちばん悩みなさそうですが。
    谷口さん:(笑)。悩みねえ。高木真ちゃん(高木真一)にしようかな。新田(守男)さんにしようかな。それとも織戸(学)くんにしようかな。先輩ドライバーに『この“お前いつまで乗るんだよ”的な空気感をどうかわしていきますか?』ということを聞こうかな(笑)。

    ──なるほど。
    谷口さん:やはり加齢というか、老いというか、まわりは『まだまだ走れる』『若いね』と営業トークやリップサービスだったとしても、そう言ってくれる人はいるんだけど、本人からしたら、やっぱり30代や40代の自分とは違って、老いてるからね。今のスーパーGTではシートが限られているなかで、若手も元気がいいのがいっぱいいるでしょ? その中で、オレより先輩が数人いるじゃない。

    ──いますねえ。
    谷口さん:オレも本当はチャンピオン争いとか。ガツガツ負けず嫌いを出したいんだけど、今はBoPが違いすぎて、なかなかそれが出しづらい。BoPのことは言うのがただカッコ悪いみたいになっちゃってる。あとはタイヤの問題と、ガソリンを使えない問題ね。……ちょっと脱線しちゃうけどいいかな?

    ──どうぞどうぞ。
    谷口さん:坂東(正明)さんは、いろんなチームの負担を増やしたくないから金曜の走行をなくしたわけだよね(2008年まで金曜に練習走行がありました)。タイヤウォーマーもチームの負担になるから使わない、テレメトリーも負担になる。今はタイヤのセット数も減らそうとしているよね。なのになぜ、今までリッター400円くらいだったガソリンから、1500円くらいの燃料に変えるのか、そしてなぜ450kmレースを増やすのかというね。チームの負担がめちゃくちゃ増えるわけじゃない。……『やめてよ』っていうね。

    ──今のは書いといていいとこですか?
    谷口さん:……書いとこ(笑)。で、さっきのネタはやめとこう。

    (谷口さんとしては変に若手やベテランをネタにしたりイジったりするような質問はあまりしたくないそうで、ここからけっこうグルグル悩みが二転三転していきました)

    谷口さん:オレがこれに出るからには、なんかつまんない返しにしたくないじゃんね。でも悩みも質問もないからなあ……。どうしようかねえ……。

    ──なかなか決まりませんねえ。
    谷口さん:そうだ。柳田真孝にしよう。

    ──大丈夫です。今年乗ってますし。
    谷口さん:マー(編注:皆さんご存知の柳田選手の愛称です)に『セントラル20社長就任おめでとうございます』と。

    ──はい。
    谷口さん:以前、あなたは『クルマはノーマルがいちばんだ』と言っていたと思います。『クルマをイジるようなヤツはアレだ』とオレに豪語していて、そのアレを扱う会社の社長に就かれましたが、その後いかがお過ごしでしょうか? と聞いてみて(笑)。

    ──そんなこと言ってたんですか? この間セントラル20のデモカーのRZ34を解説してましたよ。
    谷口さん:言ってたよ。

    ──それはPETRONAS SYNTIUM TEAMからスーパー耐久に一緒に出られていた頃?
    谷口さん:そうそう。片岡も聞いてたよね。
    片岡龍也さん:してましたねえ。


    ──そう聞くと、たしかにどこで心境が変わったんでしょうねえ。
    谷口さん:その話をしていた頃は、マーはバリバリのニッサン/ニスモのGT500ドライバーだったわけだけど、やはりセントラル20を継がなきゃいけない……と思ったからなんじゃないかな? 分からないけどね。まあネタっぽく聞いてみてね(笑)。

    ──分かりました。ネタとして聞いておきます。

    * * * * *

    そんなこんなで、フェアレディZ専門店として多くのファンをもち、2023年7月に会社設立から50年を迎えたセントラル20の代表取締役社長に就任した柳田真孝選手に繋がりました。いったい心境の変化だったのか、それとも……? 次回は、チューニングカーに対する柳田選手……もとい、柳田社長のアツい思いが聞けるはずです。

    次回お楽しみに!

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