2023年は「開発競争が熾烈を極めた1年」と元F1ストラテジスト。予測不可能なマシンパフォーマンスが一因に

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By Auto News on Jan 15, 2024 at 1:35 AM
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     元アストンマーティンF1のストラテジストで現在『Sky Sports F1』のコメンテーターを務めるバーニー・コリンズは、2023年シーズンに見られた開発レースは、各チームが最初から最後までこれまで以上に気を張り詰め続けた“熾烈な”ものだったと述べている。

     熾烈な開発戦争の原因として、コリンズは、チーム間の差が僅かであることと、マシンパフォーマンスが予測不可能である点を挙げ、「例年よりも開発レースがさらに熾烈を極めた1年でした」と語った。

     コリンズは、マクラーレンとアストンマーティンの対照的な運命を、開発競争の予測不可能な性質を表す主要な例とした。シーズンのスタートが悪かったマクラーレンはアグレッシブなアップグレードを行って表彰台争いにのし上がったが、アストンマーティンの序盤の強さは後退が続くなかで勢いを失った。

    「年の初めのマクラーレンは、序盤戦に私が期待していた状態に比べてパフォーマンスが非常に悪かったのですが、アグレッシブなアップグレードが行われ、マシンが向上しました。そして年末にはほぼ毎回表彰台に上がっています」

    「そしてアストンマーティンはその逆に見えました。1年のスタートを非常に力強くスタートしたのに、アップグレードがうまく機能せず、今年の半ばにかけて大きなスランプに陥りました」

    「そうしたことから、今のレギュレーションにおける開発レースは非常に厳しく、競争が激しいようです。チームが優れたマシンを作って適切な作業ウィンドウに入れるか、もしくはマシンがまったく機能しない状態にあるかという状況です」
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    Sky Sports F1のバーニー・コリンズとマーティン・ブランドル

     レッドブルを除けば、どのチームも確実な賭けとは言えない。年間を通じて、アストンマーティン、フェラーリ、メルセデス、マクラーレンは、グリッド上で2番目に優れたマシンだと言える瞬間があったし、アルピーヌでさえも、さまざまな機会に称賛に値するパフォーマンスを見せていた。F1の中団グループにはシーズンを通して予測不可能性があり、年末までに熾烈な接戦が見られた。

    「レッドブルとマックス(・フェルスタッペン)は除くとしても、中団グループ、または中団とは言えないグループも、最前線でのバトルは1年を通して本当に接戦でした。最後まで、コンストラクターズ(選手権)ではどこが2位になるのか分かりませんでした」

    「今後2、3年の間、このレギュレーションが継続されればされるほど、この状況は変わらないままだと思います」
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    2023年F1第21戦サンパウロGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

     コリンズは不確実性の大部分について、チームがマシンと開発プロセスを完全に理解しておらず、それがパフォーマンスの急激な変動につながったと考えている。

    「なぜうまくいかないのかさえ理解できていないチームの多さは、エンジニアリングの観点から見ると少しショックでした」

     明確さを欠いたチームは、試行錯誤の開発を行うか、あるいはメルセデスのようにシーズン半ばでコンセプト変更を実施して方向転換を行った。コリンズはメルセデスのより根深い問題について、「彼らは適切なことを行っているのでしょうか?」と疑問を呈した。

    「彼らは現在のより低い車高で高いパフォーマンスを発揮するというこのレギュレーションにこれまで2回挑戦していますが、うまくいっていません。来年の開幕戦はどうなるでしょうか? そして、他チームが冬の間に開発を行う間に、彼らは正しい方向と間違った方向のどちらに進むのでしょうか?」

    「これから2月までは、自分たちのやっていることが正しいのか間違っているのか読み取ることができません。開幕戦で誰が前にいて、誰が後ろにいるのかを見るのはいつもエキサイティングですが、今は分からないことです」
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    2023年F1第20戦メキシコシティGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

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